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用語集

このページではマシンビジョンや画像処理で使用される用語について説明します。


センサー関連

 

ピクセル

光電変換を行う1つのフォトダイオード。ピクセルを並べた物がセンサー。1つ1つのピクセルの大きさやピクセルの数によってセンサーの性能が決まります。

 

ピクセルサイズ

1画素のサイズ。大きいほど受光面積が上がり量子効率が上がる傾向にある。小さいほど分解能が上がるが光量が必要になります。
ピクセルサイズが大きいとセンサーサイズも大きくなるため大きなレンズマウントが必要になります。

 

解像度

ピクセル数、画素数。xxMPix、何百万画素など。欠陥検出等でカメラを選定する際には、どの程度の視野幅でどの程度の欠陥を検出したいのか?という撮像条件に応じてカメラを選定する必要があります。

 

Fullwell、フルウェル

ピクセルが受光し測定することが出来る最大光量。センサー・カメラによって異なりますが、露光時間や読み出しにおいてノイズが貯まってしまうためこの値によって最大露光時間が決まります。

 

QE

カメラ・センサーが各波長を吸収出来る割合。グラフとして参考データが提供されている事が多いです。シリコン製のCMOSの場合、900nm以上の感度は著しく低くなり、1100nmを超える光を捉えることは出来ません。

 

ゲイン

ピクセルで光を電荷に変換した後の増幅率。ゲインを上げる事で明るさを上げる事が可能でカメラによってはアナログゲイン・デジタルゲインの2つがあります。
ただしゲインを上げるとノイズも増幅されるため照明やレンズの絞り等とバランスを取って上げる事が望ましいです。

 

ピクセル値・デジタルカウント値

センサーに入射した光子の強さをデジタル出力に変換した値。8bit出力の場合、出力は2^8=256。つまり0~255カウントで表されます。
センサーのFullwellが分かっているのであれば、その値を元に光量を計算する事が可能です。ただし、ピクセル値には様々なノイズが含まれている事に注意が必要です。

 

ノイズ

撮像データに含まれる信号以外の成分。
ノイズには光のばらつきに由来する空間ノイズ、暗電流によって撮像時間に応じて増加するダークノイズ(暗電流)、センサーおよびカメラの読み出し回路によって生まれる読み出しノイズなどが含まれます。
メーカーによってノイズの定義や公開している情報が異なりますので詳細はデータシートをご確認ください。

 

SNR・SN比率

信号とノイズの比率。
SNRは信号とノイズの比率で、それぞれの測定条件(光量、露光時間、ゲイン等)によって変化します。
SNRが良いセンサー・カメラほど高いビット数で撮像する事が可能です。
ダイナミックレンジは、そのセンサー・カメラで検出が可能な最大と最小の信号の比率で、最も条件が良い時のSNRと等しくなります。

 

センサー

センサーの型番。使用しているセンサーによってカメラの解像度やフレームレートの上限が決まります。
また、センサーの型番を知ることでカメラ同士の量子効率やダイナミックレンジ等の性能を比較する際に参考とする事が可能です。

 

センサータイプ・センサーサイズ

センサーのサイズ・種類。ケラレの発生を防ぐためにセンサーのサイズに合わせてレンズを選ぶ必要があります。

 

シャッター方式

グローバルシャッターあるいはローリングシャッター。ローリングシャッターでは各列で順次撮像していくので撮像対象が動いている場合に被写体がブレる等の問題が発生します。


カメラ関連

 

ビニング

隣り合う2×2、3×3、4×4ピクセルの出力を平均化する事。各ピクセルのノイズも平均化されるためSNRは向上します。
カメラから受信するデータ量を削減し効率よくデータ処理を行う事が出来ます。ただし信号も平均化され解像度が落ちる事に注意が必要です。
センサーの読み出し回路やカメラ内部の信号処理回路がフレームレートのボトルネックとなっている場合、ビニングによってフレームレートを向上させることが可能です。

 

デシメーション

間隔を開けてピクセルの出力を読み出す事。
カメラから受信するデータ量を削減し効率よくデータ処理を行う事が出来ます。ただし解像度が落ちる事に注意が必要です。
センサーの読み出し回路やカメラ内部の信号処理回路がフレームレートのボトルネックとなっている場合、デシメーションによってフレームレートを向上させることが可能です。

 

ROI

関心領域(Region of Interest)の略称。カメラの場合センサーの中の実際に使用する範囲。
使用する部分のデータだけを扱うことでカメラから受信するデータ量を削減し効率よくデータ処理を行う事が出来ます。
CMOSセンサーの場合、縦方向のROIを設定する事でフレームレートを上げることが可能な場合もあります。

 

LUT

Look Up Tableの略称。基本的にカメラ・センサーはピクセルに入射した光量とピクセル値は直線的に増加するように設計されています。
しかし、理化学用途や計測用途ではなく、セキュリティカメラや自動運転などのアプリケーションでは、暗い場所と明るい場所を同時に見る必要がある場合にLUTを使用します。
光子の増加に対するピクセル値の増加を調整することでアプリケーションによって必要な部分の感度を高める事が可能です。ガンマ補正もLUTを使用した機能の1つです。

 

ホワイトバランス

RGBの強度を調整して、白色を調整する事。
カラーカメラの場合、RGBの各ピクセルの感度が異なっているためホワイトバランスの調整が必要になります。カメラ・ビューアーによっては自動で調整を行う事が可能になっています。

 

FFC

センサーの各素子の感度のばらつきを測定し、オフセット補正を行う事。
カメラによっては、測定条件に合わせて校正データが付属していて正確な補正が出来るようになっている製品もあります。
ユーザー側で使用環境に合わせて用意する事でより正確に補正が可能な製品もあります。

 

ADC

ADコンバーター。カメラ内部でアナログ信号である電圧値をデジタル信号に変換する部品。
ADCが14bitであればピクセル値の解像度は最高14bitとなります。
この場合、画像フォーマットが16bitでも下位2bitは使用されないという事になります。

 

トリガー

別のソフトウェアやハードウェアから信号を入力し、信号に合わせて撮像を行う機能。カメラによってトリガー入力が可能なタイミングや動作モードが異なりますが、基本的には正確な同期が必要な場合にはトリガー機能が必要となります。

 

筐体サイズ

カメラ本体のサイズ。通信帯域が高いほど回路が複雑になったり発熱量が上がり放熱板やファンが必要になるため、サイズが大きくなりがちです。
また、コネクタを含むかどうか、曲がりやすいケーブルを使用するかどうかによって実際にカメラの設置に必要なスペースが決まります。


インターフェース関連

 

インターフェース・通信規格

カメラのデータをPC等に送る通信インターフェース(ケーブル等)の種類。マシンビジョンで使用されているインターフェースの詳細については、別ページを参照下さい。

 

PoXXX (例 : PoE、PoC等)

Power over XXXの略称。
この表記がある製品は、EthernetケーブルやCXPケーブルなどのカメラに接続したケーブルを介して電源を入力することが可能です。
ただし、電源元となる画像入力ボードやEthernetポートが同じようにこれに対応している事が必要で、接続距離が長くなりすぎると電圧降下が起こりカメラの駆動に問題が発生する場合があります。

 

ケーブル長

カメラと受信機間のケーブルの長さ。
基本的に通信インターフェースによって接続距離が決まるため、アプリケーションに適したインターフェースを選定する事が重要です。
ただし、使用環境によってノイズや電源が異なるため実際の最大接続距離が変化する場合もあります。

 

BNC、MicroBNC

トリガー入力やCoaXPressの接続に多く使用されるコネクタ。
BNCのコネクタおよびケーブルは様々な産業で広く販売されていますが、CoaXPress用として使用する場合には、高い通信帯域が必要とされる点に注意が必要です。

 

画像入力ボード

キャプチャカード、フレームグラバー。カメラから送られてきたデータを受信・処理する拡張ボードの事。
画像入力ボードが必要なカメラの場合、基本的にはPCIeポートに空きがあるデスクトップPCが必要です。
また、カメラを複数台使用する際にも必要になります。

 

Webカメラ(USBカメラ)

USB Video Class規格のカメラの事。Webカメラ等のUSBカメラで使用される規格。
マシンビジョン用のUSB3.0カメラはUVC規格とは異なるGeniCam規格に対応しているため、UVC規格のカメラと同様に使用することは出来ません。
詳細については以下URLをご確認下さい。

 

IPカメラ

放送業界で使用されるEthenetインターフェースのカメラの事。
マシンビジョン用のEthernetカメラはIPカメラとは異なるGeniCam規格に対応しているため、IP規格のカメラと同様に使用することは出来ません。
ただし一部のカメラは放送業界向けにSMPTE ST2110規格に対応する予定があります。
詳細については以下URLをご確認下さい。


レンズ関連

 

レンズマウント

カメラに取り付けられるレンズの種類。カメラによってはアダプタを追加してマウントを変更することが可能です。

 

フィルター

特定の波長の光のみを通す部品。
検出したい波長を強調する目的で、バンドパスフィルターと呼ばれるフィルターが使用されます。
ただしバンドパスフィルターを使用すると光量が落ちる事に注意が必要です。

 

オートフォーカス

EFレンズ等にはモーターが内蔵されており、カメラが対応している場合、カメラ側からレンズの絞りをコントロールする事が可能です。

 

焦点距離

レンズからセンサまでの距離。

 

ワークディスタンス

レンズから撮像対象までの距離。

 

視野角

撮像される範囲。

 

Cマウント、CSマウント、Sマウント

Cマウントはマシンビジョンカメラの標準的なマウントです。
CSマウントやSマウントはそれよりも小型のカメラや組み込み用カメラ等で使用されます。

 

EFマウント

モーター内蔵のマウントです。
カメラが対応している場合には、カメラ側から絞りを操作することが可能です。

 

Fマウント、M52マウントなど

センサー面積が大きい場合に採用されるマウントです。
近年のマシンビジョンカメラではセンサー面積が大きくなる傾向にあり、マウントも大型の物が採用される傾向にあります。