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金属の接着性を向上させるためのプラズマクリーニングと表面処理 |
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関連製品 |
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Tergeo-Basic、Tergeo-Plus 卓上型プラズマクリーナー |
代表的なアプリケーション
・ 表面の油分やエポキシなどの汚れを除去する |
航空宇宙、自動車、医療機器、電子機器などの業界では、接着部の強度問題に大きな関心が寄せられています。金属と金属・複合材料・接着剤・薄膜コーティングの接着は、表面エネルギーの低さ・汚染・化学的性質が合わないといった原因のために非常に困難な場合があります。プラズマによる表面のクリーニングと処理は、表面汚染(主に炭化水素系の有機汚染)を除去し、官能性ヒドロキシ基を生成し、表面の濡れ性を高めるために広く使用されています。酸素とアルゴンのプラズマ表面処理は、金属や複合材料の接着剤の接着強度を大幅に向上させ、ラップせん断強度が従来の化学洗浄や機械的な研磨方法に比べて数倍向上します。 |
酸素プラズマによる表面の有機物汚染の除去 アルミニウム・ステンレス鋼・金などの金属部品の製造工程では、潤滑油が広く使われています。金属の表面を洗浄しても、数時間後にはノナナールなどの空気中の汚染物質が再び表面に吸着されてしまいます。酸素を使ってプラズマを発生させると、高周波エネルギーが酸素ガスをイオン化して酸素分子を分解し、反応性の高い原子状酸素を生成します。酸素プラズマ処理では、油などの有機汚染物質を簡単に除去することができます。以下の画像は、油分で汚染された金属表面の酸素プラズマ処理前と処理後の様子です。 |
酸素プラズマ処理による金属部品のオイルコンタミネーションの除去(左:処理前 右:処理後) |
酸素プラズマクリーニングによるアルミニウム表面の有機物汚染の除去(左:処理前 右:処理後) |
表面エネルギーと濡れ性の改善による接着強度の向上 アルゴン・ヘリウム・酸素などのプラズマ処理により、炭素系の汚れが除去されると、表面にカルボン酸などの官能基が付加されます。これらの官能基は、エポキシフィルム接着剤との強力な化学結合を促進します。さらに、ヒドロキシ基は表面を親水性にして、接着剤と金属表面の密着を助けます。また、金属と複合材料を接着する場合、酸素プラズマ処理によって複合材料の表面粗さを高め、接着強度をさらに向上させることができます。 |
酸素プラズマ処理によるアルミニウム表面の濡れ性向上(左:処理前 右:処理後) |
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